アスペルガー人が海外に出た方がいい理由
僕は微笑の国タイのバンコクで暮らしています。職業は某デザイナーです。
タイに来た当時の僕は、まだアスペルガーという概念さえ知りませんでした。
でも、自分がアスペルガーであることを知った今となっては、自分が日本よりもタイでの生活になじんだ理由がとてもよくわかります。
タイは日本人の旅行先や移住先として人気があります。
その理由を尋ねると「物価が安いから」「タイ料理が好きだから」「おおらかなタイ人が好きだから」というような事を言う人がほとんどです。
確かにそうかもしれませんが、僕の場合は少し違います。
日本と同じ生活水準を維持しようと思ったらタイの物価は全然安くありませんし、タイ料理も毎日食べたいと思うほど好きなわけではないですし、どこの国もそうですがタイにだっていい人もいれば悪い人もいます。
ではなぜなのかというと、海外暮らしは、アスペルガー人の特性の一部である、
- コミュニケーションへの苦手意識が強い
- 場の空気や暗黙の了解を理解するのが苦手
- 言葉をダイレクトに受け止めてしまう(行間を読むことができない)
- 表現が直接的すぎる
- 共感力が低い
- 過去のことをいちいち考えては自己嫌悪に陥る
- 周囲の目を気にしすぎる(自意識過剰)
- 承認欲求が強い
- ルーティーンを好む
- 予期しない事態への対応が苦手
- 諦めが早い
などといったことへの自己嫌悪感や違和感が、日本で生活するよりも緩和されると思うからです。
生き辛さを抱えるアスペルガー人にとって、これによるメリットは、外人として生活するうえで付きまとうさまざまなデメリットをも凌駕します。
だから、アスペルガー人は、海外に出た方がいいと思っています。
少しは楽になるかもしれませんよ。
アスペルガー、微笑の国タイで暮らす
僕は30歳の時に、タイに移住してきました。 学生の頃から旅行やその他の活動でアジア各国を訪れることが多かったからか、特に思い切ったことをしたとも思っていません。
ライフワークがあって、自分にとって暮らしやすければ、場所はどこでもよかったのです。
とはいえ最初から海外生活を意識していたわけではありません。
学校を出た僕は、当たり前のように日本国内の会社に就職しています。旅先としての外国は心理的に身近な存在だったとはいえ、日本の社会人としてスタートを切った当時の僕は、まさか自分が数年後に外国に住むことになっていることなど、全く想像していませんでした。
最初に就職した会社は、もともとやりたかった某デザインの仕事に転向するために、わずか5年で辞めてしまいました。
その後いくつかの劇的な出会いがあって、タイのバンコクで某デザインの会社の立上げに加わることになったのが、海外生活の始まりです。
最初から全てが順調だったわけでありませんが、住んでみたら思いのほか居心地がよくて、そのまま居ついてしまいました。日本に帰りたいと強く思うこともないまま、かれこれもう10年以上になります。
今タイにいるのは、自分で強い気持ちをもって開拓した結果ではなく、運と出会いとタイミングによるものです。決して日本の生活に嫌気がさしてタイにやって来たわけではないですし、タイに住みたいという理由でタイにやって来たわけでもありません。
でも今となっては日本で再び生活する自分が想像つきません。
もちろん日本は大好きですよ。
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