アスペルガー人の結婚観 / 好きなタイプは「私の邪魔をしない人」by勝間和代氏

アスペの魂が震えた言葉集

昔放送されたとあるインタビュー形式のテレビ番組で、勝間さんが「恋人募集中なのに誰も立候補してくれないんです」と言った流れから出た言葉です。

「どんな人が好きなんですか?」
という質問に対する答えが
「私の邪魔をしない人」

独自の価値観で我が道を突き進む勝間さんらしい発想です。
当然、他の出演者からは笑いとともに「それはアウトです」という声があがり、勝間さん本人も自覚しているようでした。

勝間さんのこの回答を聞いた時、孤立型アスペルガーである僕にとっては大きな賛同しかありませんでした。そしてそんな自分に苦笑すると同時に思いました。
「やっぱりアウトなんだよな」と。

これは完全にアスペルガー人の発想

勝間和代さんは、発想や行動がいい意味でブッ飛んだ経済評論家の女性です。経済だけでなく様々な分野に精通しておりメディアにも多く露出しているので、ご存じの方も多いかと思います。しかも彼女は、自身が発達障害のADHDであることを公表しています。
勝間さんのYoutubeチャンネルでは、経済学の他にもライフハックやメンタルヘルスなど、日常生活全般で役に立つ数々の方法論を発信しているのですが、その発想のすべてが数字と分析に基づいた超論理的思考から導き出されているので、アスペルガー人である僕にとっては受け入れやすく、その考え方のプロセスはとても参考になっています。
勝間さんの話を聞いていると、こういう驚異的な情報処理能力を持ったADHDの人もいるんだ、と驚かされることが多くあります。むしろ積極奇異型のアスペルガー(+ギフテッド)に近いのではないかと勘ぐってしまうくらいです。

「理想の恋人のタイプは?」という質問は、誰もがされたことがあるかと思います。そして誰もがその問いに答えられるような理想像を持っていると思います。
理想のタイプの常連である「優しい人」「安心できる人」「一緒にいて楽しい人」などを抑えて「私の邪魔をしない人」を筆頭に挙げるというのは、完全にアスペルガー人の発想です。
たとえ恋人や家族であっても、自分のやることを邪魔してほしくないと思うことはあるでしょう。
しかし、まだ相手がいない段階でそこを強く意識する人は、一体どれほどいるでしょうか。

  • マイルール
  • マイペース
  • 自己完結
  • 完璧主義
  • こだわりへの執着

アスペルガー人が頑なに守ろうとするこれらのことを何よりも重要視しているからこそ、それを全面的に認めてくれる相手が最も望ましいという発想になるのです。

アスペルガー人の結婚観

恋人同士に限らず、人が他人と何かを共にするには、妥協と共有は必ずついてまわるものです。
自分の意見だけを通していては関係が成立しませんし、場合によっては自分の時間や労力やお金を、自分の意に反してでも捻出しなければいけない時もあります。
しかし共感力が低く共同生活が苦手なアスペルガー人は、そういったやり取りをうまくこなすことができません。
全てにおいて自己完結意識が強く、それを相手にも求めてしまうので「邪魔しないから邪魔しないで欲しい」となってしまうのです。
これは愛情があるなしに関わらないので、なかなか理解してもらえません。

僕は1度結婚し、離婚しています。
結婚する際、相手となった人に伝えた僕の理想の夫婦関係は「互いが自立し違う方向を向いていて、それでも小指だけはしっかりと繋いでいるような関係」でした。
互いが互いの心の拠り所として愛を育み、共有できるものは共有するけれど、基本的にはそれぞれが個人として自立していて、切磋琢磨し合うような夫婦関係を理想としていたのです。だから当然のように、子供を作ることは考えていませんでした。
それを聞いた相手は、おそらく「こいつと結婚して大丈夫だろうか」と思ったと思います。

もちろん実際の結婚生活はそんな理想通りに進むわけがなく、都度僕は理想の姿に近づけるべく相手に働きかけ続けました。
しかしそれは僕の理想であって、相手の理想と合致していたわけではありません。いわば「マイルールの押し付け」です。
結果、家族でいる意味がないと判断されてしまい、出て行ってしまいました。

おかしいのは、いい時も悪い時もあったにせよ、僕自身はいい夫婦関係を築けていると思っていたことです。
僕は家族としての愛情や安心感は共有できていたつもりでいたのですが、相手にとっては不十分極まりないものだったわけです。
アスペルガーの自覚がなかった当時は分かりませんでしたが、その「感覚のズレ」に、アスペルガーゆえの発想や言動が少なからず影響していたことは言うまでもありません。

カサンドラ症候群とアスペルガー

アスペルガー人の配偶者の多くは、カサンドラ症候群になってしまうと言われます。
カサンドラ症候群とは、アスペルガー人のマイルールに翻弄され、自己完結型の行動に置いてけぼりにされ、直接的すぎる言動に傷つくなどして、結果、精神的にも身体的にも疲弊しきった状態になってしまうことです。

僕の前妻は、僕自身の言動によって、このカサンドラ症候群になっていたと思われます。
当時の僕はアスペルガー症候群というものを知らなかったので自覚はありませんでしたが、前妻は常に体や精神の不調を訴えていました。しかし現在、当時抱えていた体や精神の問題は全く出ていないそうです。

今でも僕は、理想のタイプを聞かれると「自立した人」を筆頭に掲げ、先ほどの「理想の夫婦像」と同じようなことを話します。それを聞いた人は皆「そんな人いねーよ」と口をそろえて言います。冒頭の、テレビ番組での勝間さんと出演者のやりとりと同じです。
正直僕も「そりゃそうだよね」と思っているのですが、アスペルガー人は、適度な距離感を保たないと、いい関係を長続きさせることができないのです。
しかし、一緒に住んで運命共同体として共に生きる結婚生活において、自分基準での適度な距離感を保ち続けることなど不可能です。そして、近づくほど死の確率が上がる核物質のように、アスペルガー人との距離感が近くなればなるほど相手は疲弊してカサンドラ症候群に向かっていきます。

僕はアスペルガーではありますが、人を疲弊させ傷つけるのは本意ではありません。
本来愛している人をカサンドラ症候群の辛い目に合わせないためにも、僕自身がアスペルガーを克服したと思えるようになるまで、次の結婚のことを考えてはいけないと思っています。
ただ、ひとりが嫌なわけではないので、悲壮感はまったくありません。

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