アスペルガー人は性格が変わってもアスペルガー / アスペルガーのジョブチェンジの仕組み

アスペルガーの思考と生き様

人は、何か衝撃的な出来事に遭遇した時や、自分を取り巻く環境が大きく変わった時を境にして、無意識のうちに思考や行動のパターンが変化することがあります。程度によっては「性格が変わった」と言われるほどの大きな変化を伴うこともあります。

その理由は、自分が起こした問題への反省や後悔から来るものだったり、変化した環境や状況にうまく適応するためだったり、目指すべき目的に近づくためだったりと様々ですが、ある程度年齢を重ねた人なら誰もが経験していることではないでしょうか。

もちろんそれはアスペルガー人も同じです。しかしアスペルガー人は、どんなに思考や行動が変わったとしても、アスペルガーの呪縛から逃れることはできません。そのベースとなる特性の枠の中で、表面化するものだけが変化します。
アスペルガー症候群というのが先天的な脳の機能障害だということを前提に考えれば、それは至極当然のことなのです。

アスペルガーのジョブチェンジ

アスペルガー症候群は「受動型」「積極奇異型」「孤立型」「尊大型」「大仰型」の5つのタイプに分類されています。
アスペルガーとしての基本となる特性は同じなのですが、その特性のバラつき具合や、性格として表面化している思考や行動のパターンが各タイプによって違ってきます。
簡単に説明すると、このような感じです。

  • 自分が見えておらず、他人に流されすぎな「受動型」
  • 自分の感情に忠実で、他人に遠慮がない「積極奇異型」
  • 自分の世界に閉じこもり、他人を寄せ付けない「孤立型」
  • 自分が常に正しく、全部が他人のせいの「尊大型」
  • 全てが自分のせいで、いつまでも他人行儀な「大仰型」

この中で「尊大型」と「大仰型」は、「孤立型」をベースとしてそこに更なる特徴的な要素が加わった、「孤立型」と同系統の型とされています。

アスペルガー人の性格が大きく変わるというのは、この「型」が変わることを意味します。
残念ながらアスペルガーからの脱却を意味するものではなく、その時の必要に応じてジョブチェンジするかのように、この5つのタイプを渡り歩いたり、時には混在させたりするのです。

僕の場合の、ジョブチェンジの履歴

現在の僕は「孤立型」が幅を利かせていますが、人生を通してずっとそうだったわけではありません。
過去を振り返ってみると、このような遍歴を辿ってきました。

「積極奇異型」→「受動型」→「孤立型(尊大型・大仰型)」

僕は物心ついた頃から中学生までは「積極奇異型」で、今では考えられないくらい他人との接触を拒まない子供でした。
好きも嫌いもわかりやすく表現し要領よくふるまうので、敵も味方もたくさんいました。
積極奇異型の子供は基本的にルールに従わず、感情を隠さず、思い込みによる暴走も激しいので、大人にとっても他の子供たちにとっても扱いに困る存在だったと思います。
あまりにも人の感情に無頓着だった行いは、やがて一部の人たちからの反乱を招きました。
今思えば当然のことなのですが、周りが見えていなかった当時の僕にとってはあまりにもショックで、それ以降「積極奇異型」はなりを潜めるようになります。

それに代わって台頭したのが「受動型」です。それまでは敷かれたレールをバラバラに壊して回っていたのが、一転、自分を何一つ主張せず、敷かれたレールに乗っかりそこで上手く立ち回ることに全力を傾けるようになったのです。
高校受験から大学受験までの間は、その先の人生を大きく決める重要な時期でしたし、しかも高校では体育会強豪校の軍隊のような生活環境にいたので、今思うとその流れに順応するための処世術だったように思います。

その軍隊のような厳しい環境から解放されて待っていたのが、「孤立型」へのジョブチェンジでした。
当時は大学生でしたが、反抗期が遅れて来たような状態になり、独自の世界を作り上げてそこに落ち着くようになっていったのです。残念な黒歴史は、この頃に最も多く作られています。

その後も「孤立型」は、一年前に自分がアスペルガーであることを理解するまで無自覚のまま続き、今はそれを自覚したうえで、その特性との上手な付き合い方を模索しているところです。

僕の「孤立型」の特徴は、怒りスイッチが入ると「尊大型」が、アウェーの環境では「大仰型」が顔を出すということです。
どれも問題がないわけではないのですが、特にこの「尊大型」が出てくると、心がネガティヴな感情に支配されて無駄に攻撃性が増してしまうので、今はとりあえずこいつを何とかしたいと思っています。

やっかいな「尊大型」への対処

怒るべき時に怒ることは精神衛生上も必要なことです。しかし「尊大型」が幅を利かせている時、僕の心の中には怒りよりも黒いモヤがかかっています。
怒りの発端となった出来事に関与した人を、その理由やバックグラウンドを無視した形で全面的に悪とし、自分のこの不快感をいかにして見せつけてやろうか、相手の至らなさをいかにして分からせてやろうか、いかにして自分と同等の思いをさせてやろうか、などという考えが頭を支配しているのです。
そして時に理屈っぽく、時に高圧的な態度でそれを実行してしまいます。

仮に怒りの理由が真っ当だったとしても、そんな発想から出た情動的な怒りでは、相手には理解どころか反感しか残りませんし、少しの失敗が倍になって返ってくるという恐怖心を相手に植えつけることになります。
つまり「めんどくさいヤツ」と思われてしまうのです。
これが恋人や友人や同僚などの身近な人だったらどうでしょう。 こんなことが続けば、関係を断ち切ってしまいたいと思われても文句は言えません。
問題の発端が自分でないにもかかわらずです。
これはもう損の極みです。

僕は、自分がアスペルガーだと自覚し、悪い部分を可能な限り矯正すべく試行錯誤している今が、まさに次へのジョブチェンジの最中だと感じています。
アスペルガーが脳の機能障害である以上、その枠を出ることはできません。だからせめて、攻撃的で無駄に人から嫌われてしまう「尊大型」の登場が限りなく少ないタイプにジョブチェンジしようと目論んでいます。

僕の場合、「尊大型」の発現と「怒りのスイッチ」は連動しているので、「怒りのスイッチ」の押し方さえ制御できれば「尊大型」を抑え込むことができると思っています。

自分がイラついてしまう場面を日常的に自己観察しているのが功を奏して、今では「怒りのスイッチ」の存在とその動きが自分の心の中に見えるようになってきています。
上手にコントロールできるようになるまで、あと少しです。

COMMENT

  1. 六川 より:

    はじめまして、生き辛い日本を離れてバンコク在住です
    自分も管理人さん同様「積極奇異型」→「受動型」→「孤立型」でした
    「孤立型」の今が人生で一番トラブルが少ないような気がします

    • じゅうたろうじゅうたろう より:

      はじめまして、コメントありがとうございます
      確かに孤立型になってからの方がトラブルが少ないです
      僕の場合は、普段からトラブル回避の思考や行動をする傾向が身に沁みついているので、その影響だと思っています

タイトルとURLをコピーしました