片頭痛はアスペルガーの二次疾患? / 片頭痛の原因と対策

気になるコトモノ集

幼いころから、僕は片頭痛に悩まされてきました。
本格的な発作が始まってしまうと、心臓が鼓動を打つたびに右か左どちらかの眼球の裏あたりに衝撃波を与え続けられるような激しい痛みに襲われます。
そしてそのあまりの痛さと併発する胃の強烈な不快感に全てのパワーを奪われて、まともに歩くことさえままならない「生きる屍」のようになってしまいます。

当事者なら分かってもらえると思いますが、そこで経験している世界は、まさにこの世の地獄と言っても過言ではありません。
症状が重い時は、壁に脳天を打ちつけたり眼球を引きちぎってしまいたくなる衝動に駆られるほどです。

アスペルガーと片頭痛の直接的な関連性についてハッキリと言及した記事や論文を見つけることはできませんでしたが、その原因や症状の特徴から、僕のようなアスペルガー(または自閉症スペクトラム障害全般)の人が抱える片頭痛は、その特性がもたらす二次疾患のひとつなのではないかと思っています。

片頭痛の原因とアスペルガーとの関係性

片頭痛の原因はまだ完全には解明されておらず諸説ありますが、自分の知識と経験から、僕はこのようなものが発症の原因になっているのではないかと疑ってきました。

  • 読書やPC作業など、細かいものを長時間見続けることなどによる「目の疲れ」
  • 長時間の集中状態、頭の使いすぎなどからくる「脳の疲れ」
  • 感情の高ぶりや悩み事などからくる「心因性ストレス」
  • バランスの悪い姿勢や噛み合わせなどからくる「骨格のゆがみ」
  • 脳の血流に影響する食物の摂取や偏食などからくる「栄養障害」
  • 徹夜や夜更かしなどによる「睡眠不足」やその逆の「寝すぎ」
  • 肩や首や背中のコリからくる「頭部への血行不良」
  • 気温や気圧の変化などの「気象条件」

ただ、これらを過度に取り入れてもならない時はならないし、これらから遠ざかった状況でもなる時はなるので、結局直接的な原因は分からないままでした。
だから、こういうものが少しずつ積み重なっていって臨界点を超えた時に発作が起こるのだろうと勝手に結論付けて、その自説をもとに頭痛と向き合ってきたのです。

しかしアスペルガー症候群というものを知ってから、そこに新たな仮説が加わりました。
ここで注目すべきは、その状態が自他ともに分かりにくい「脳の疲れ」です。

アスペルガー人は前頭葉など感情表現をつかさどる部分の脳の働きが弱いうえに、それを補うかのように普通の人が意識を向けない細かい情報を無意識のうちにキャッチし続けているので、眠っている以外の時間はずっと頭がフル回転状態だといえます。

つまり、アスペルガー人の脳は普通の人とは比べ物にならないほど慢性的に疲れているのです。
しかもその状態が普通だから、自分では疲れていると認識できません。
これこそが、片頭痛の根本の原因になっているのではないでしょうか。

そう考えると、徹夜をしても毎日PC作業をしていてもストレスや悩み事があっても、脳さえ疲れていなければ片頭痛の発作は起こりにくいということになります。
逆もまたしかりで、脳が疲れていれば、その他が比較的良好でも発作は起こりやすくなるのです。
こういう時は、脳の疲れを助長するあらゆるものがトリガー(引き金)になり得るので、先に挙げた全ての項目がそれに当てはまります。
これが、発作が起こった時にその原因として考えられるものが毎回違う、という不思議を生んでいたのです。

片頭痛は年齢とともに軽くなる

「脳の疲れが片頭痛の根本原因で、他の要素はそれを助長するもの、または発作のトリガーでしかない」
という仮説を裏付けるのが、
「片頭痛は年齢とともに頻度も症状も軽くなっていく」
という事実です。
これは僕の経験則でもあり、僕の知る「片頭痛持ち」の人たちも同じような経緯をたどってきています。

僕の場合、片頭痛の発作に悩まされだしたのは小学校に入学した頃と記憶しています。
一番酷かったのはそこから10代にかけてで、症状も毎回重く、多い時は週に1回の発作が数週間続いたこともありました。

20代になってからは症状は重いものの頻度は月に1回ほどになり、30代になってからは重い発作は年に数回で、それ以外の発作は出ても無理すれば仕事を続けられるほど症状が柔らかくなっていきました。
あるご年配の経験者のケースでは、50歳を超えた頃からは全く出なくなったそうです。

10代(少年期)という、人生で最も多感な時期の症状が最も重く、そこから年齢とともに知識や経験を積むにつれて、それらが脳の処理をある程度手助けしてくれるようになることで疲れにくくなっていき、その結果発作の頻度も少なくなっていく。そう考えると妙に納得がいきます。

特にアスペルガー人は「想定外の事態に遭遇するとパニックに陥る」という残念かつ重大な特性を持っているので、年齢が若ければ若いほど、意識的にも無意識的にも頻繁にパニック状態になっていたでしょうから、当時の脳の疲れが尋常ではなかったことは容易に想像できます。

片頭痛の対策と予防方法

片頭痛の発作が起こる前には、必ず予兆のようなものが現れます。
何がどうなったらそうなのかというのはハッキリ言えませんが、「なんか来そうだな」という違和感のようなものを頭の右側か左側かのどちらかに感じます。

予兆の時点で鎮痛剤を飲むと発作が来ないこともありますが、来ることの方が多いのであまり期待できません。その一方で、予兆だけで終わってしまうことも稀にあります。

そしていったん発作が始まってしまうと、僕の場合は水すら吸収しないほど胃の働きが完全にストップしてしまうので、薬の類はまったく意味を成しません。
片頭痛に効果があるとされているロキソニンも無駄に胃を痛めるだけの結果になりますし、一緒に飲んだ水も、数時間後に嘔吐することになります。

そこから回復する唯一の確実な方法は「眠る」ことです。
眠ることで感覚を遮断するしか、あの苦痛から逃れる方法はないのです。

学校や職場を早退し、薄目を開け吐き気をこらえながらゾンビのような足取りで家にたどり着いたとしても、睡眠の世界に逃げ込めるまで長い時間ベッドの上でのたうち回ることになります。
しかしまとまった時間眠ることができれば、症状は確実に回復します。

僕の場合は6時間程度以上の睡眠で回復できることが多いのですが、目が覚めて頭痛が消えていた時のあの爆発的な爽快感は、経験者にしかわからない究極のご褒美です。

この「眠れば確実に治る」ということも、脳の疲れが原因であることを示していると思っています。
ただでさえ脳が疲れやすいアスペルガー人は、普段からそのことを意識して、

  • 毎日7時間の睡眠を心がける
  • 瞑想をする
  • 適度な運動をする
  • バランスのいい食事を心がける
  • クエン酸など脳の疲労にいいとされる栄養素を摂る

というようなことに気を配ることが大切です。
しかしこれはあくまで一般論で、アスペルガー人にとってそれだけではまだ不十分です。
そこに、脳を最も疲れさせ、かつアスペルガー人が克服すべき最大級の課題でもある、

  • 感情的になりすぎない
  • 深く考えすぎない

の2つが加われば、片頭痛の頻度を確実に減らすことができるのではないでしょうか。

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